(私は、間違っているのかもしれない。
こんな運命のために、戻ってきたんじゃない…
皆を守るために、悲しい運命を避けるために時空を越えて…
それなのに私は…私は…

『ダメ…ッ!』

私はいつの間に、貴方の腕を掴んでいたのか…本当にとっさで、無意識で…
でも、改めて実感した。
これが、私の本心。
私は貴方が…好き…。)









>運命河口<










第一章 −掴む腕、掴む心…前奏の海から−



「ククッ…この後に及んで憐れむ、か…?殊勝な事だな…」

自嘲気味に…けれど、とても心が締め付けられるような笑みを浮かべて、知盛は言った。
は、その身を投じて入水しかけ、今にも沈まんとする知盛の片腕を、両手で必死に捕まえたのだった。
だがそれは、憐れみでも何でもない。
例え裏切る事になっても、祝福されなくても。

『貴方は…敵よ』

「俺は…敵だな…」

そう…ずっと平家を追撃してきた。
何度も合見えては、離れていく…その繰り返し。
いつからこんな感情が芽生えたのか。

「俺を追って来いよ…源氏の神子」

戦いの後、知盛はいつも満足そうに微笑んだ。

『戦いを楽しむなんて間違ってる…』

そう思いながら、知盛の微笑みを、忘れられなくなっていた。
好敵手。
そんな言葉ですら、表現できぬ程に、二人の気持ちは遠く、また密接していた。
敵と知りながら。
互いに相容れない関係と知りながら。

けれど、勝敗が決した今、 敵も見方も関係ない。
想いこそすべて。
源氏も平家もなく、“一人の人間”として、想いあえたなら…?

『いつか私を殺す気でもいいよ…だから…一緒にいよう?』

望むのなら、叶えてあげる…命懸けの恋心。

『私も、容赦しないから…だから…私以外に倒されるなんて許さないよ』

の言葉に、満足そうに微笑むと、船へと這い上がりながら、知盛は呟く。

「そうか…ならば俺でさえ、俺を殺す事はできないのか…」

(私以外に、その矛先を向けないのなら…源氏の皆が危険な目に遭わないで済むのなら、時を越えたこの気持ち、叶えてもいいよね…?)

涙がの頬を伝い、仰向けに横になって、肩で息をする知盛の額に落ちた。
その感覚に、目を開くと、の泣き顔を見て知盛は言った。

「そんな顔じゃ…俺にいい女だと思われないぜ…」

あくまで憎まれ口のように、素っ気ない台詞を吐くが、その口調に、返っては安心した。
安堵感に思わず笑みが零れる。
そんなに、知盛はふいに、鋭い眼差しを向けた。

「俺がお前を殺そうとしたら…迷う事なく殺しに来いよ…」

その言葉が聞こえたのか聞こえなかったのか。
は頷く事無く、黙ってうつむいていた。
そんなに手を伸ばそうとした時、自分達に影が落ちたことに気づき、知盛は起き上がって周りを見た。
二人は、弓矢を向ける源氏の兵士達に取り囲まれていた…。

黒い羽織がはためいて、西に傾きかけた陽に照らされた横顔が、冷たく二人を見下ろす。
それは…優しくも冷徹な、良心の眼差し…。
逃げ場もなく、死ぬつもりもなく。
けれど、一番避けたかった状況。
ようやく顔を上げたに、静かに語りかける声があった。







〜続〜




















@後書き@
やってしまいましたー!!!(笑
テンションがおかしいですが、そこはあえてスルーして貰って(マテ。
これをご覧になったと言う事は…
好き…なんですよね?知盛…
いや!!!
いいじゃないですか、知盛ッvvv
喋りやオーラからかもし出される、えも言われぬ色香…
日本人が持つ独特のエロ気…もとい、色気を感じて、酔います///
例えて言うなら、戦○無双の織田信長の声と喋りを聞いた時の
衝撃にも似ています(笑←わかる人にしか、わからんからι
まあ、それ以上に、落とせない事が納得できないキャラNO.1ですね。
それは、ともかく(滝汗;;;
ちっとも小説の説明してませんねι
あんまり甘いのもらしくなく。
かといって想いがない風に見えては意味が無く。
結論。
『知盛を書くのは難しい』
でした(号泣。
いずれ、修正するかもしれませんが。
とりあえず、完成です。
当初の予定とは大幅に変更あって、
続きます。。。

(2005.01/13・作成)

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